自分たちの親がいようが弟妹がいようが子どもがいようが、普通にいちゃついている。
「晃くん!」
お兄ちゃんの方が一方的に。
お姉ちゃんはさすがに恥ずかしさがあるようだ。
「お邪魔お姉ちゃんはさっさと退散します!」
お兄ちゃんの堂々たるいちゃつきに怒ったお姉ちゃんが出て行こうとすると、
「さゆ、邪魔なわけあるか。もっと可愛がってあげるからおいで?」
「だからなんでそういうこと言うの!」
真顔で平然ととんでもなく恥ずかしいことを言うお兄ちゃん。あー、この家は今日も平和ですなー。
恥かしさが臨界点に達したらしいお姉ちゃんが憤然と出て行ったドアをじーっと見ているお兄ちゃん。
うん、長居するのはやめよう。お兄ちゃんにあとあと嫌味言われそう。
「お兄ちゃん、景の好きな人って知ってる?」
「え、どうしたんだ、急にそんな話」
お兄ちゃんが驚いている。
お兄ちゃん感情は豊かなんだけど、それが面に出づらいと評判だ。
そんなお兄ちゃんでもはっきりわかるくらい驚いていた。



