【短編】サクラ色の貝殻をきみにあげる










『どうしたの?今日休み?』



次の日、友達から届いたメッセージに『ごめん休む』と返信して、誰もいない浜辺で海を見つめる。


制服を着て家を出て来たものの、どうしても学校に行く気になれずに海に来てしまった。





…もう、夏目くんと顔が合わせられない。


あんなこと言って、困らせて。
好きだって、言い逃げして。


彼だってきっと迷惑に思っているだろう。




会いたくないのに、きみの姿が見たい。

きみのこと考えるたびに、胸の奥がずんと重くなる。

ひりひり焼け付くみたいに胸が痛いくせに、
きみの下手くそな作り笑いを思い出すたびに熱くなる。