アブナイ王子様たち

掃除機をかけるスイッチを押す前に、グイッと強引に手首を引っ張られた。


私の手首を引っ張った犯人は、言うまでもない。


「あんた、俺のこと侮辱してるだろ。


俺のことを嫌ってなくても、心の中では俺の悪口言ってそう。


性悪とかなんとかってな」


うぅっ……。


心の中で思ってること、翔さんに全部読まれたんですけど……。


私の表情を見て、翔さんはふっと不敵な笑みを浮かべた。


「その顔は図星ってところだな。


あんたって、感情を表に出すタイプなんだな。


すげぇいじりたくなる」


い、いじりたくなる⁉︎


な、なにを言ってるの、翔さん。