アブナイ王子様たち

う、嘘でしょ……。


平日はずっとひとりかと思ったら、大学でVIP待遇を受けている翔さんとふたりっきりだなんて。


翔さんって、なにを考えているのかわからないから、どう話せばいいかわからない。


無慈悲な言葉を浴びせたかと思ったら、急に不敵な笑みを浮かべたり。


最初に翔さんを見たときの第一印象は“クールでカッコいい”だったけど、もしかしたら翔さんの素顔は、私が想像するよりも性悪なのかもしれない。


カッコいいと思っていた私がバカだったかも。


こんなに性格が悪い人っているんだね。


冷静になってぶつぶつとつぶやいたあと、掃除機を持って掃除機のスイッチボタン押そうとした。


だが、押せなかった。