アブナイ王子様たち

ピリついた空気をどうにかしようと、言い争いを続けている悟さんと翔さんの間に割って入った。


「は……はい、ストップ!


口ゲンカはもうやめましょう!」


私の行動に目を見開く悟さんと翔さん。


誠さんと薫くんと匠くんも呆然とした表情で私を見ている。


5人の視線を浴びた私は、顔が耳まで真っ赤になるのを感じた。


うわぁ、恥ずかしい……。


男の人に見つめられることが一度もなかったから、このあとどうすればいいかわからない。


顔をうつむかせて視線を床に落とした直後、誰かがふっと笑った。


「悪かったよ、兄貴。


今度から気をつけるわ」