アブナイ王子様たち

あれこれと想像を膨らませる私をスルーして、前を歩いていた悟さんがこちらを向いた。


そして、私の腕から手を離す。


「ここにいる4人が、俺の弟だよ」


悟さんが向こうに手を差しのべながらそう言った。


その言葉で、悟さんが弟さん4人のいる場所まで連れてきたんだと理解する。


我に返ってあたりを見まわすと、そこは部屋よりもよりいっそう広々としたリビングだった。


こんなに広いリビング、うちにはなかったな……。


じゃなくて。


悟さんが弟さん4人を紹介してくれるって言ってくれたから、悟さんのほうに意識を向けないと。


悟さんが差しだしている手のほうに目を向ける。