「えーっと、ハンバーグ用のひき肉はどこにあるんだっけ……」


別荘で過ごした数日後。


私は、悟さんたちと一緒に家に戻り、普段どおりの生活を送っていた。


別荘で過ごして以降、ストーカーからのメッセージや手紙は届いていないし、安心した日々を過ごしている。


今、私は、家から歩いて10分のところにあるスーパーの中にいる。


悟さんから、今日の夕ご飯の材料の買い出しを頼まれたのだ。


『愛海ちゃん。


悪いんだけど、夕ご飯の材料買ってきてくれる?


買い出しで使ったお金はあとで返すから』


買い出しを頼まれたとき、悟さんは、自分のお父さんの仕事のお手伝いをしていた。


普段から家にいる翔さんは、高校時代の友達と会う約束をしていて、家にいなかった。