アブナイ王子様たち

突然ドアの外からコンコンとノック音が聞こえてきて、体を震わせた。


誰がノックしたんだろうと思いながらドアをそっと開けると、ひとりの男の人が立っていた。


おだやかな雰囲気を持つ、背の高いイケメンだ。


「えっと……」


「いきなりごめんね。


君、もしかして来栖川愛海ちゃん?」


えっ。


なんでこの人、私の名前知ってるの?


私、この人に自己紹介したどころか会ったこともないんだけど。


本当にいきなりの質問に混乱してしまう。


そんな私に、男の人が苦笑いを浮かべた。


「もしそうならごめん。


この家、本当は来栖川グループのものなのに、俺たちが勝手に住んじゃって」