アブナイ王子様たち

ぐるっと見渡す限り、前住んでいた部屋よりもずいぶん広い。


お父さん、いつの間にこんな部屋を用意したんだろう。


全然気づかなかったよ。


内心驚きつつも、荷物を持って部屋の中に入る。


部屋に入ってすぐ、私は持ってきたすべての荷物を部屋の中にしまいはじめた。


前住んでいた家で着ていた服、アクセサリーをクローゼットの中にしまい込む。


そして、愛読している本を全部、部屋の奥に置かれている本棚にしまった。


持ってきた荷物をしまうだけで、大粒の汗がにじんできた。


手の甲で汗をぬぐい、残りの荷物をしまおうとしたそのとき。