アブナイ王子様たち

スッと立ちあがり、玄関にいる悟さんのもとに歩み寄る。


「あっ、よかった。


愛海ちゃん、ここにいたんだ」


相変わらず笑顔がきれいだな、悟さん。


……じゃなくて。


「悟さん、なんでここに……」


気になっていることを質問したそのとき。


グイッ。


突然、悟さんに腕を引っ張られた。


「話はあとで。


とりあえず家に戻るよ」


話を受けつけてくれなかった。


叔母さんを置き去りにして、私は悟さんに連れ戻された。


家に着くまで、悟さんは黙っていた。


家に着き、リビングに着いたところで、悟さんは腕を離してくれた。


そのかわりに見つけたのは……。


「な、なにこれ……!」


リビングのテーブルに散乱した、大量の手紙。