アブナイ王子様たち

そのとき、叔母さんはなにも驚かなかった。


私しか住んでいないと思っていたから。


けれど、私が住む以前に、我妻家の御曹司5人がすでに住んでいた。


叔母さんは知らなかったのだ。


悟さんたち5人が、私の同居人であると。


「そ、それで、なにかご用があるの?」


「あの、ここに愛海ちゃんは来てますか?」


ドキッ。


なんで私がここにいると思ったんだろう。


勘が働いた?


いや、なんとなくかな。


悟さんは鈍感だし、勘もそんなに鋭くない。


「えぇ、いるわよ。


今、呼んでくるわね」


叔母さんが、悟さんに笑顔を向け、こちらに向かってくる。


そして、私のところに来るなり、興奮をあらわにした。


「ちょっと、愛海ちゃん!」