うん、今は言わないでおこう。


そう思っていると。


グイッ。


なにを思ったか、翔さんが顔をこちらに近づけてきた。


途端に、心臓が大きく脈打つ。


ドキッ!


か、顔が近い!


近すぎるよ!


「こ、今度はなんですか?」


また、キス、される……⁉︎


「俺が作ったおかゆ、もっと食べたい?」


へ……⁉︎


な、なんですか、その不敵な笑みは。


嫌な予感しかしません。


でも、せっかく作ってくれたおかゆを残すわけにはいかない。


「……た、食べたいです」


「よし、じゃあ、あーんして」


あーん。


翔さんがスプーンですくった、ひと口ぶんのおかゆが口の中に入る。


あっ、おいしい。


翔さん、料理できるんだ。