アブナイ王子様たち

「あっ、お願いします……」


思わず、素で返事をしてしまった。


だって、翔さんが心配そうな表情をしながら、優しい口調で言ってくれたから。


翔さんが冷却シートを手に取り、それを私の額に貼ってくれる。


それと同時に、額にひんやりとした感触が伝わってきた。


気持ちいい……。


「ほわぁ……気持ちいいです……」


「そうか、よかった。


じゃあ、次はおかゆ食べさせてやるよ」


ま、また優しい口調で……。


甘えちゃいそうになっちゃうよ。


って、甘えてもいいのか。


「お、お願いします」


私が小さくうなずいたそのとき。


「はい、あーんして」


翔さんが、ひと口ぶんのおかゆをスプーンですくい、私に突きだしてきた。