アブナイ王子様たち

バッと勢いよく起きあがり、ベッドのそばの椅子に座っている翔さんを睨みつける。


「じゃあ、私が風邪ひいたの、翔さんのせいじゃないですか!」


「おー、ツッコむの早いな。


ツッコミをする早さは、風邪をひいても変わんないのな」


感心してる場合か!


風邪をひいたのはあなたのせいなんだから!


少しは申しわけないと思ってよ!


「ツッコミの早さはどうでもいいですよ!


私が風邪をひいたのは、翔さんのせいだって言ってるんですよ!」


この人は、たまに聞く耳持たないよね。


私がイライラしていたり、怒っているときに限って、スルーするんだから。


まったく……。


ため息をつこうと思ったそのとき。


翔さんが私を見て、なにかに気づいた。