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「……おーい、起きろー」
数時間後。
あれからすぐに寝てしまった私は、翔さんの声で目を覚ました。
「お、起きましたよ……」
すると、翔さんは少し意地悪そうに笑った。
「なーんだ、本当に起きちゃったか。
もし、あんたが起きなかったら、目覚めのキスしようと思ったんだけどなー」
な……っ!
な、なにを言いだすの、この人は……!
それに『起きろ』って言ったのは、あなたじゃないですか!
「あー、残念」
なにが『残念』なの。
心の底からそう思っていないっぽいな。
「い、意地悪言うのはやめてくださいよ……」
「はいはい」
そんな適当な返事をしちゃって。
本当はわかってないでしょ。


