アブナイ王子様たち

心の中でそうつぶやきながら、翔さんの髪の毛を見ていたせいで、翔さんに気づかれてしまう。


だが、私の部屋のベッドに寝かせてくれるまで、なにも言ってくれなかった。


よかった。


空気を読んで、言わなかったのだろう。


しかし、安心したのもつかの間、私をベッドに寝かせてくれた翔さんが、私を見つめはじめた。


な、なに?


私の顔になにかついてる?


「な、なんですか?」


「なんですかはこっちのセリフだっての。


あんた、部屋に連れてくる前、俺のこと見てたじゃん。


あれ、なんなの?」


ギクッ!


言われてしまった……。


言ってくれなかったことに安心したのに……。


でも、言われる前に気づかれている以上、言いわけは不可能と悟り、口を開けた。