ニコッと笑う翔さん。


その笑顔には、いやらしさはまったく感じられなくて、心の底から嬉しがっている純粋な笑顔だ。


ドキッ。


ほら、もう。


いつも意地悪な翔さんが、こんなふうに純粋な笑顔を見せるから、ドキドキしちゃうんだよ。


ねぇ、翔さん。


もし、私が好きだって言葉が嘘じゃないなら、信じてもいいですか?


私、翔さんが好きなんだ。


なんて言えるわけがない。


恥ずかしくて言えないよ!


心の中でそうつぶやき、自分の姿を見おろす。


「どうしよう……びしょ濡れになっちゃった」


翔さんが私を引っ張って、プールに落とすから!


「ふっ、いいんじゃね?


兄貴に、誰かに水をぶっかけられたって言えば、兄貴は信じるでしょ」