心の中でそうつぶやきながら、叔母さんのほうに目を向けて言葉を返した。


「叔母さん、大丈夫ですよ。


ひとりで行けます」


「そう……」


大丈夫だと言ったのに、叔母さんの表情は晴れなかった。


まだ私のことが心配なのかな。


「そんな顔しないでくださいよ!


もし別荘があって、そこに私が住むことになっても、叔母さんの家にはたまに来るので!」


叔母さんの肩を軽く叩くと、叔母さんはボソボソと小さな声で「ありがとう」とつぶやいた。


叔母さんの声が耳に届いた直後、正面に向き直って靴をはいた。


「行ってきますね、叔母さん」


「えぇ」


背中から聞こえた叔母さんの声を聞き、私は叔母さんの家をあとにした。