アブナイ王子様たち

「それで……翔さんの唇が離れたとき、なぜか名残惜しくなっちゃって。


私、思ったんだ。


この人になら、キスされてもいいって」


あぁ、ここまで言っちゃった。


言ってしまった今だからこそ思うことだけど、やっぱり恥ずかしい……。


私のキャラが崩壊しそうだ。


なんて思っていると、黙っていたきーちゃんが、こちらに身を乗りだした。


なぜか、その顔は嬉しそうだ。


「愛海、翔様に何度もキスされたの⁉︎


やばい、翔様に愛されてるじゃん!」


翔様……?


きーちゃんって、翔さんのこと、“翔様”って呼んでたっけ?


さっき、“2番目に名前をあげた人”って言ってなかった?


「きーちゃん……?」


「はぁ〜、めっちゃ羨ましい!


翔様に、熱烈に愛されるなんて!」