アブナイ王子様たち

きーちゃんに、顔を赤くさせてるところ、見せちゃった。


中学時代では、顔を赤くさせた記憶がほとんどなかったのに。


ちょっと恥ずかしい……。


でも、言っちゃおうかな。


翔さんへの想いをきーちゃんにぶつければ、心が少しだけスッキリするかもしれない。


大きく息を吸い、口を開けた。


「私……じつは、翔さんにファーストキスを奪われて……」


「えっ、マジ⁉︎」


「うん。


ファーストキスを奪われたときは、『こんな人のことなんか好きじゃない』って思ったの」


「ふんふん」


「でも、2回目にしたときは、もっとしてほしいって思ったんだ」


う、うわぁ……。


そのときの出来事が頭の中でよみがってくる。


ストーカーを追い払うために、彼氏役となった翔さんがキスしてくれたんだ。