アブナイ王子様たち

「……うん、そうしよう」


無意識のうちに放たれた私の言葉は、波の音にかき消された。


波音だけが耳に響いてくる。


海にいる人たちの話し声は、波音で消されて聞こえない。


静かだな……。


ここ、悟さんたちがいる場所から数十メートル離れたところだけど、話し声が全然聞こえない。


ちょっと不思議な感じ。


にぎやかなところもいいけど、こういう静かなところもいいな。


大きな岩にもたれかかり、砂浜の上に座る。


波の音に耳をすませてみる。


落ち着く……。


体にたまった疲れが一気に吹き飛ぶような感じ。


たまに、こういう場所に来るようにしよう。


なんて思っていると、近くから足音と荒い息遣いが聞こえてきた。


顔だけをそちらに向けた瞬間、視界に、見覚えのある人物が現れた。