アブナイ王子様たち

水着姿を見られた恥ずかしさから、顔がボッと、一気に熱くなった。


「に、似合ってなんか……」


そう言う自分の声は、あきらかに小さかった。


蚊の鳴くような声に聞こえたのか、悟さんたち5人は、私の言葉に誰も反応しない。


チラッと、誠さん以外の4人の反応を見てみる。


悟さんは、誠さんの声が聞こえてなかったのか、おだやかな表情をしている。


翔さんは、目を細めて不機嫌な顔をしている。


薫くんは、ゲームに集中しているのか、こちらのほうに見向きもしない。


匠くんは、無表情で誠さんを見ている。


な、なんか、険悪な空気……?


もしそうだったら、私たちを包んでる空気をなんとかしないと!


しばらくオロオロしたあと、パーカーのファスナーを閉めて、5人に背を向ける。