アブナイ王子様たち

パーカーを両手でギュッと握りしめながら、目を伏せる。


悟さんが私から目をそらしたタイミングで、足音を立てないように、ゆっくりあとずさる。


しかし……。


「脱げよ、そのパーカー」


悟さんの隣にいた翔さんが、私に近づいてきた。


い、嫌だ、嫌だ、嫌だーっ!


パーカー、脱ぎたくなーい!


「い、嫌ですよ!」


「なんで?」


「なんでって……私の水着姿、誰にも見せたくないからです!」


しかも、ビキニ姿を他人に見せるなんて!


絶対に見せたくないよ!


水着を買ってくれた悟さんには、感謝しなきゃいけないけれども!


思いっきり目をつぶり、首を左右に振る。


この行動は、5人のうちの誰かに、パーカーを脱がされないようにするための行動だった。