アブナイ王子様たち

踊り場の近くに、ストーカーがやってきたのは翔さんもわかっていたようで、ストーカーの死角となる場所に移動しながらこうつぶやく。


「うわぁ……今、近くに来たやつ、俺たちを追いかけてきたみたいだな。


やっぱり、さっきフードコートで俺たちのことをじっと見てたやつで間違いないな」


その言葉は、私の耳にちゃんと届いた。


ストーカーにはまったく届いていない。


ストーカーに聞かれては困る。


今の翔さんの言葉は、私に対して向けられたものだから。


「そ、そうですね」


また声がうわずった。


いまだに、恐怖が体の中から抜けていないのかもしれない。


「ちっ……愛海ちゃんを連れ去ったあの男、絶対に捕まえてやる……」


またストーカーの声が聞こえた。


背中に氷を入れられたかのように、背筋に冷たいものが走る。