アブナイ王子様たち

空になったコップをゴミ箱に捨てたいのに、グイグイ引っ張られてるせいで、捨てられない。


「ちょ、ちょっと……翔さん!」


スピードが全然落ちない……。


男の人の力には到底かなわないので、言葉で抵抗を試みる。


しかし、翔さんは、私の言葉をスルーして、どこかに向かって歩いていく。


ちょっと!


人の話を聞いてよ!


なんで無視するの⁉︎


お願いだから、私の言葉を聞いて!


心の中でそうつぶやいても、翔さんに届かないことはわかっている。


はぁ……なんで、ストーカー撃退のために彼氏役になったのが、翔さんなんだろう。


悟さんのほうがよかった……。


私の言うことは聞かないし、強引に手を引っ張るし、意地悪なこと言うし。


この人に恋してると思った私がバカだったよ。


そう思いながら、翔さんに引っ張られていた。