席に着く前に買ってもらったイチゴシェイクをストローですする。


喉に、イチゴの甘酸っぱい味が広がっていくのを感じる。


おいしい。


イチゴは大好きだから、イチゴシェイクを飲むだけで幸せを感じる。


イチゴシェイク、翔さんに買ってもらってよかったな。


心の中でそうつぶやきながら、シェイクを飲んでいると、翔さんが突然こちらに身を乗りだした。


お互いの顔の距離が近くなり、心臓がドクンッと大きく跳ねる。


それと同時に、顔が熱くなった。


ち、近い!


近すぎる!


「な、なんですか?」


「来たぞ」


へ?


来た?


「なにがですか?」


「あんたのことを見てる、怪しい男がな」


怪しい男?


不審者ってこと?


「その人、どこにいるんですか?」


「あそこだよ」