アブナイ王子様たち

あまりの恐怖に、なにも言えない私。


そんな私を尻目に、悟さんと翔さんは会話をしはじめる。


「これ……いつ届いたんだ?」


「兄貴に電話かける直前だよ。


ポストになにかが入った音がしたから、確認してみたんだ。


そしたら、それが入ってたんだよ」


「手紙の内容からして、これを書いたのは、愛海ちゃんに好意があって、なおかつゆがんだ感情を持つ男かな」


「だろうな。


この手紙、切手が貼られてないから、この手紙を書いた誰かが、直接うちのポストに入れたんだろうな」


「いったい誰がこんなことを……」


「わかんねぇ。


だけど、この手紙を書いて送ったやつが、この女のことに夢中になってることはたしかだな」


「そうだよね。


夢中になってなきゃ、こんな手紙を書いて送ったりしないよね」


「あぁ」