アブナイ王子様たち

悟さんに外へと連れられ、車に乗せられる前に、はっと我に返った。


それと同時に、悟さんの手を軽く振り払う。


「さ、悟さん!」


「なに?」


「会社の人たちに、あんなこと言っちゃっていいんですか?」


「あんなことって?」


「その……用事があるっていう理由をつけて、仕事に戻れ、って……」


悟さんに逆に質問されて驚きながらも、思ったことを話す。


もし私が悟さんの立場だったら、用事があるから仕事に戻れ、とは言わない。


会社の人たちは笑顔で返事をしていたけど、本当は、悟さんの言葉によくない気持ちを抱いているのかもしれない。


「普通なら、もっと……」


「大丈夫だよ、そんなことは」


えっ……。


私の言葉が、みごとにさえぎられた。


言いたいことを言いきる前に、悟さんに言葉を返された。