「……なので、僕はこう提案します」


「なるほど……」


「さすが我妻家のご長男で、次期社長」


気味の悪い手紙が届き、匠くんの言動にドキドキさせられた次の日。


私は朝から、我妻グループが所有する会社の会議室で、悟さんと会社の人数人が会話をしているのを聞いている。


なぜ、我妻グループが所有する会社の会議室に、私がいるのかというと。


起床して着替え、顔を洗うために洗面所に向かう途中で、悟さんに呼び止められた。


『ねぇ、愛海ちゃん。


朝早くに悪いんだけど、朝ご飯食べ終わったら、俺のとこに来てくれない?


お手伝いさんとしての仕事は翔にまかせてさ』


翔さんに私の仕事を押しつけるのは少し怖かったけど、翔さんは意地悪をすることなく、代わりに仕事をすると受け入れてくれた。