えっ、私あての封筒……?


思わずドキッとしてしまう。


中身を確認しようとしたが、家の中から誰かの声がしたので、慌てて中に入った。


玄関のドアをうしろ手で閉めて、急いで自室に向かう。


だが、自室まであと数メートルというところで、パシッと腕を掴まれた。


誰かなんて、考えなくてもわかる。


「ポストの中、なに入ってたわけ?」


「うわぁっ!」


「なんだこれ。


あんたへの手紙か?


相手、誰なんだよ」


「し、翔さん、返してください!」


私の手から手紙を奪い取る翔さんの手に向かって、思いっきり手を伸ばす。


しかし、翔さんの背が私よりかなり高いせいか、なかなか手紙を奪い返すことができない。


本当に返してよ!


「い、意地悪!」