今なら、薫くんに襲われないチャンスだよね?


大丈夫だよね?


ゆっくりと立ちあがって、パーティー会場へと戻った。


戻ってすぐに、悟さんに声をかける。


「悟さん!」


「愛海ちゃん!


薫の様子、どうだった?」


「それが、真っ赤な顔のまま寝てしまって……」


その前に薫くんにキスされた、なんてことは絶対に言えない。


思い出すだけで顔が熱くなる。


い、今は忘れないと!


両頬を手で包み込み、熱を冷ます。


「じゃあ、急いで薫を連れて帰らないと!


誠、薫を運んでいくぞ!」


「お、おぉ!」


すぐそばにいた誠さんを連れ、悟さんは会場の外のホールに向かった。


それと同時に、いつの間にか戻ってきた翔さんが軽く息を吐いた。