アブナイ王子様たち

「はぁ……」


「私、あなたのご両親の葬儀に参列していて、あなたに声をかけたいと思っていたんですが……あなたがあまりにも落ち込んでいらっしゃったので、声をかけることができなかったんです」


「そ、そうなんですか……」


この人、お父さんとお母さんの葬儀に来たんだ。


全然気づかなかった。


もしかしたら、葬儀のときにコソコソと私のことを話していたひとりは、この人かもしれない。


「す、すみません。


あのときは頭が混乱しちゃって、全然気づきませんでした……」


「いえ、謝らなくてもいいですよ。


ご両親を亡くしたあなたが混乱するのは、当然のことですから」


手を前に出して、軽く振る男性。


この人、私に気を遣ってるのかも。


お嬢様だった私に気を遣う必要は、まったくないんだけど。