うーん。


なんかお腹空いちゃったな。


なにか食べものないかな。


お腹に手を当てて、自分が空腹であることを確認する。


翔さんに引っ張られながら歩いているが、翔さんの力に抵抗するように立ち止まった。


私がピタッと立ち止まったことに、翔さんがすぐに気づく。


「……ほら、中に入るぞ」


獣のような鋭い視線が私をとらえる。


怖い……。


「あ、あの……」


翔さんの顔があまりにも怖くて、思うように口が動かない。


その怖い顔、どうにかして……。


なんて、本人の前で言えるわけがない。


背中に冷たい汗が流れていく。


それと同時に、翔さんが私の手を離した。


そして、ポンッと両手を叩いた。