アブナイ王子様たち

信じたくはないけど、もしお父さんとお母さんが事故で死んだあと、本当に誰かが私の家の財産を全部奪ったのなら、私は本当の意味でひとりになってしまう。


話していた人のとおり、私はお金持ちから一気にホームレスに転落してしまった。


両親がいなくなり、さらには来栖川グループに残された財産や住みかもなくなった。


自分が本当の意味でひとりになったと悟った直後、叔母さんを置いて外へと駆けだした。


外はまだ雨が降っているので傘をささなければならないが、傘をささずに走りはじめる。


斎場をあとにする葬儀の参列者たちを追い抜き、目から滝のような涙を流す。