「ま、まぁ……」


表面上では冷静につぶやいた私だが、内心びっくりしていた。


私に【人間消去アプリ】を使うのかどうかを聞いてきた沙織が、私の答えを聞いた途端に同情したから。


「軽い気持ちで自分のおばあちゃんの名前を【人間消去アプリ】に入れただけなのにって、思ってるでしょ」


軽い気持ちで試したのは当たっている。


でも、その軽い気持ちがおばあちゃんを死に追い込むだなんて思わなかった。


「沙織……私、もう一度【人間消去アプリ】を使ってみるよ」


気がつけば、そんなことを言っていた。


沙織の言葉を無視して。


私の突然の発言に、沙織が目を丸くした。