人間消去アプリ

「……残念ですが、おばあ様は助かりませんでした」


助からなかった。


つまり、死んだってこと？


おばあちゃんが死んだと私の脳が受け入れたと同時に、お母さんが再び泣きだした。


お父さんも、今にも泣きだしそうな表情を浮かべている。


ふたりはおばあちゃんが大好きだったんだろう。


でも、私は大嫌いだった。


だから【人間消去アプリ】におばあちゃんの名前を入れたんだ。


泣けばいいのかわからずに口をつぐんでいると、ずっと黙っていた沙織が、私の肩を叩いた。


「……ねぇ、理央ちゃん」


「な、なに？」


「ちょっと、ついてきてくれない？」