人間消去アプリ

正面の入口に入ると、お父さんとお母さんが駆け足でこちらにやってきた。


ふたりが出迎えてくれるとは思っていなくて、少し驚く。


「理央、やっとで来たのね」


「お母さん、おばあちゃんはどこにいるの?」


私の肩を掴むお母さんにそう尋ねた。


だが、お母さんはばつが悪そうに目をそらした。


あぁ、おばあちゃんはきっと、生死の狭間にいるんだろうな。


瞬時にそう悟った。


私の予想は的中していた。


「おばあちゃんは今、手術室にいるの。


おばあちゃんが手術室に入ってからもう30分もたつんだけど、全然出てこないの」


30分も手術室に?