人間消去アプリ

いまだに呆然としている私とすずねと円歌をスルーして、先生があきらめたような表情でため息をついた。


「……はぁ、仕方ないな、特別だぞ。


神宮寺も広瀬と一緒に病院に行ってもいい。


広瀬の親御さんには、神宮寺も来ることは先生が伝えておく」


「ありがとうございます、先生!」


勢いよく両手を合わせ、感謝の気持ちを先生にぶつける沙織。


急に走りだし、私の腕を軽く引っ張った。


私の体が、今度は沙織のほうに向かされる。


「理央ちゃん、行こっ!」


「う、うん……」


呆然としていたため、そんな返事を返すことしかできなかった。