人間消去アプリ

口には出さないが、心の中ではそうつぶやいた。


そう思ったのは先生も同じだったようで、戸惑いの表情を見せた。


「じ、神宮寺……これは広瀬だけ病院に行けっていう話だから、お前には関係ないだろう」


たしかに沙織には関係のない話だ。


だが、沙織は冷静に言葉を返した。


「でも先生、沙織は理央ちゃんの友達ですよ?


理央ちゃんのおばあさんのことが心配なんです。


だから、沙織も病院に行かせてください」


言っている意味がよくわからない。


でも、私のおばあちゃんを心配していることだけはわかった。


と、そのとき、5限開始を告げるチャイムが廊下に鳴り響いた。