人間消去アプリ

私のこの反応が拒否を意味するものだと思ったのか、先生は私の背中を押しながらこう言った。


「授業に出たいのはわかるが、今は自分の家族を優先しなさい」


私の体はすずねと円歌と沙織から離れ、教室に戻されそうになる。


しかし、先生が私を教室へと戻らせる途中、いきなり沙織が先生に声をかけた。


「せ、先生!」


「どうした、神宮寺」


「沙織も病院に向かっていいですか?」


沙織のその発言に私だけでなく、すずねと円歌、さらには先生までもが目を見開いた。


なぜ沙織が病院に行く必要があるのか。


私だけ病院に行けばいいだけの話じゃん。