人間消去アプリ

でも、驚いているのは私だけではなかった。


「えっ、病院……?」


「どうして……」


私の前を歩いていた円歌とすずねも驚いていた。


先生はそんなふたりをスルーして、私の肩に手を置いた。


「広瀬、今日はもう早退しなさい。


お前のおばあ様が、大変なことになったみたいだから」


おばあちゃんが大変なことになってる……?


まさか、【人間消去アプリ】の効果が……?


そ、そんなわけがない。


今朝も思ったけど、ただのアプリが人間を死に追い込むわけがない。


ブンブンと首を左右に振り、心の中の自分に言い聞かせる。