☆☆☆
あっという間に時間が過ぎ、放課後になった。
「じゃあね、理央!
私、塾があるから!」
私に手を振りながら教室をあとにするすずね。
すずねは週に3回ほど塾に通っているので、一緒に帰れる日が少ない。
「また明日ね、すずね」
届かないとわかっていても、すずねに向かって言葉をかける。
慌てて帰っていくすずねの姿を追いかけるように、円歌も教室から出ていく。
今日はどうしてもはずせない用事があるらしい。
円歌と一緒に帰りたかったけど、はずせない用事があるなら仕方がない。
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