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あっという間に時間が過ぎ、放課後になった。


「じゃあね、理央!


私、塾があるから!」


私に手を振りながら教室をあとにするすずね。


すずねは週に3回ほど塾に通っているので、一緒に帰れる日が少ない。


「また明日ね、すずね」


届かないとわかっていても、すずねに向かって言葉をかける。


慌てて帰っていくすずねの姿を追いかけるように、円歌も教室から出ていく。


今日はどうしてもはずせない用事があるらしい。


円歌と一緒に帰りたかったけど、はずせない用事があるなら仕方がない。