人間消去アプリ

ちょっとこれ見てくれない?」


見てほしいと言ったわりに、声が少しだけ震えている。


やっぱりすずねは無理をしている。


だが、見てほしいと言われたからには、素直に見てみるしかない。


すずねの言う“これ”がなにか気になるから。


すずねのほうに目を向けると、一番に視界に飛び込んできたのは、すずねの手の中にあるスマホの画面だった。


スマホの画面には鮮血を想像させる文字で【人間消去アプリ】と書かれている。


これって……!


「すずね!」


「ごめんね、理央。


私、【人間消去アプリ】を使うことにしたんだ」