人間消去アプリ

「私は、悪い子……」


消え入るような声でボソッとつぶやく。


そうか。


おばあちゃんは、私が嫌いで『悪い子』だと言ったわけじゃない。


本当に私が悪いことを考えていたから『悪い子』だと言ったんだ。


全然気づかなかった……。


心の中でそうつぶやく私を尻目に、沙織がこんな質問をしてきた。


「ねぇ、理央ちゃん。


朔間高校で流行ってる【人間消去アプリ】、誰が作ったと思う?」


「誰が作った……?」


「うん、当ててみて!」


キャッキャと楽しそうに笑う沙織。


当ててみてと言っているところから、私の知っている人だろうと推測できる。