私は【人間消去アプリ】を使おうとは思っていないから」


ニコッと笑顔で言ってみせた。


だが、すずねの表情は変わらなかった。


いったいどうしたんだろう。


すずねの表情に疑問を抱いたと同時に昼休み終了のチャイムが鳴り、すずねが慌てて私から離れて自分の席に着いた。


沙織もなにも言わずに自分の席に戻ったタイミングで、私は息を吐きながら5限の授業の準備をした。


『理央とすずねは絶対に使ってよね!』


しかし、授業の準備を終えても、円歌の言葉が頭から離れなくて、落ち着かない。


落ち着かない自分に気づかないフリをして、5限担当の先生が来るのを待っていた。