耳をすませないと聞けないくらいの小さな声で、沙織がつぶやく。


やめて?


やめるわけないじゃん。


あんたが私を疑ってるから。


あんたが、肉体的にも精神的にもボロボロになるまで、徹底的にいじめてやる。


殺しはしない。


殺すのは、最後のお楽しみ。


「やめて?


それ、こっちのセリフだよ。


沙織が、学校をやめてくれないと、困るんだけどなー」


「……っ」


沙織の、唾を飲み込む音が聞こえる。


「あんたはもう私の友達じゃないから。


これからは、気安く呼ばないでよね」


沙織に聞こえるようにつぶやく。


沙織が顔をこちらに向けて驚く。