人間消去アプリ

たしかに。


体育担当の先生がどこかに行ったから、沙織を今からいじめてもバレないだろう。


それに、いじめ足りないし。


「……私、沙織をいじめにいこうっと」


「あっ、私も行く!」


ボソッとつぶやいて歩いたあと、園子がうしろから追いかけてくる。


園子を止める気はない。


だって、沙織をいじめるときだけ、園子は私の味方だから。


くるっと振り向いて、ギョッとする。


園子だけでなく、4人の女子もついてきた。


でも、止めないでいっか。


いじめる人数が多いほうがいいもんね。


ステージの近くに得点板を置いている沙織に声をかける。