人間消去アプリ

ただあんたのパスがヘタすぎるだけでしょ。


自分が運動音痴ってこと、まだ気づいてないの?


あんた、どんだけ鈍感なの?


私を褒める園子を、細めた目で睨む。


園子は私が睨んでいることに気づいていないようで、ニコニコと笑いながら私とのパスを続ける。


園子が運動音痴で鈍感だってこと、体育が終わったあと、園子に言おうかな。


なんて思っていると。


「……あれ?


なんで神宮寺さんだけひとりなの?」


体育担当の先生の声が入口側から聞こえた。


沙織が、誰ともペアを組めずに、ひとりぼっちになってしまったことに気づいたらしい。