人間消去アプリ

シュッという音を出しながら、園子が私にパスを出す。


ヘタなパス。


部活でやってなくても、中学までの授業でバスケやってきてるでしょ。


それなのにパスがヘタだなんて、園子は運動音痴なんだね。


園子は正真正銘のバカだ。


心の中でふっと笑い、ボールを受け取る。


そしてすぐに園子にパスを出す。


「おっ!


理央、パスうまいね!


もしかして、中学以前にバスケやってた?」


「やってないよ。


私、習いごとしてなかったし、中学の部活は文化系部活だったし」


「えっ、それでパスうまいの?


すごいね、理央!」


べつにすごくもなんともない。