私が否定したのを見た円歌が、表情を険しくさせる。


「はぁ?


理央だって、殺したいほど憎い人間いるでしょ」


「殺したいとは思わないよ、自分が憎いと思ってる人を」


「理央、あんたもしかしていい子ぶってんの?」


「ふ、ふたりとも、ケンカはやめてよ」


私と円歌の言い争いにすずねが気づいて、言い争いを止めようとする。


だが、そのタイミングで、教室にいなかった沙織がこちらにやってきた。


沙織の手にはメロンパンと紙パックのジュースがあり、今までそれらを買いにいっていたらしい。


沙織の姿が見えた直後、円歌がはっと我に返る。